マルチ商法でトラブル!海外事業者の場合の対処法は?

インターネットの発達と普及によって、情報化社会と言われる現代では、国内にいながら海外企業との商取引も可能になってきました。しかし、これは良いことばかりではありません。海外の詐欺業者が、世界的に見れば比較的お人好しで騙されやすい日本人をターゲットにすることも可能になるということです。
これまで海外のマルチ業者は日本市場に展開するときは日本法人を設立していましたが、最近では日本法人を作らずに日本人相手に勧誘活動を行って、消費者トラブルが引き起こされる例が増えてきています。

1.  マルチ商法での海外事業者とのトラブル事例

すでに国民生活センターにも相次いで相談が来ている状況です。以下のような事例が報告されています。

1-1. 【事例1】「稼げる!」SNS の投稿を見て参加したが...

(2016年4月 女性/20歳代)
「主婦でも稼げる」というSNS の投稿を見た女性が、どうやって稼いでいるのか投稿者にDMで聞きました。投稿者によると海外の事業者と契約し、ウェブサイトを作って儲けているとのことで、登録申請するためのURLや利用規約が女性に送られてきました。登録費用は20万円程度で、この事業に誰かを勧誘すれば1人につき数万円の紹介料がもらえると説明されました。

サイト上で登録申請を行い、登録料の約22万円をクレジットカードで決済しました。登録時に契約書面等の送付はなく、代わりに事業の内容の動画マニュアルのURLが送られてきました。

事前に、仕事のわからないところはいつでもサポートをすると説明されていたのに、契約してから業者にシステムの不明な点を問い合わせても「マニュアルを見ろ」の一点張りで全くサポートありません。女性は今後どのように作業したらよいか分からないので解約したいと思っています。その事業者の概要書面にはクーリングオフは2日以内とあり、期限はとっくに過ぎてしまっていますが、女性の解約は可能なのでしょうか。

1-2. 【事例2】外国企業の旅行クラブ会員になったが解約できない

(2016年9月 男性/20歳代)
男性が、SNSで知り合いになった実業家から「会員になれば格安で海外旅行ができる」と外国の旅行クラブ会員になることを勧められました。「初期費用として5万円、あと月会費がかかるけど、誰かを紹介すれば初期費用が実質無料になる」と言われたので、無料になればおいしいと思って登録することにしました。

実業家が持って来てくれたパソコンを使って、実業家に男性の情報を入力してもらって登録しました。初期費用等を男性のクレジットカードで決済したのですが、登録内容の控えも契約書等の書面も何も渡されませんでした。

男性はその後、サービス内容について不安になったので、解約しようと思いました。ウェブサイトに14日以内ならクーリングオフできるという記載があったので、期間内に退会申請をしました。ところが、登録アドレスが違うので受け付けられないという内容の英文が返信されてきました。

実業家がアドレスを間違えてしまったようなので、実業家に相談しようとしましたが一切連絡が取れません。このままでは今後もずっと月会費が引き落とされるため、男性は解約したいと考えていますが、どうすればよいでしょうか。

1-3. 【事例3】海外サイトとの代理店契約がクーリングオフできない

(2017年2月 男性/20歳代)
大学生の男性は、学校の友人からあるマルチ商法の勧誘を受けました。ビジネスの内容は、海外サイトの代理店になって商品を売ることです。自分が紹介した人がサイト経由で買い物をすると、購入者にキャッシュバックがあると同時に自分にも紹介料が入るシステムでした。

週ごとに報酬が得られ、友人はすでに20万円ほどの報酬を得ていたそうです。友人に紹介されたアップラインには、「この会社は世界的規模で展開していて、いずれ日本でもビジネス展開するよ」と言われました。友人とこのアップラインを信用してWEB上で代理店契約を済ませ、代理店登録費用として約30万円をクレジットカードで決済しました。契約完了したことを記載したPDFファイルは受け取れましたが、契約書等の書面は交付されませんでした。

その後、友人やアップラインから「日本でのビジネス展開が怪しくなってきた」と言われて、このビジネスに不安を持つようになりました。クーリングオフをしたいのですが、サイト上の規約には「契約後3日を越えると無条件の解約はできない」とあって、解約手続きの仕方も記載されていません。どうしたらよいのでしょうか。

2.  海外マルチ商法を利用するときの注意点

日本法人のない海外のマルチ商法を利用する場合、どのようなことに注意したらよいでしょうか。

2-1. ここに注意!(1)収益に関すること

2-1-1. 「簡単に儲かる」と言われたら手を出さない

「簡単に儲かる」や「絶対に稼げる」などの誇大表現は、マルチ商法に限らずあらゆる販売方法の勧誘において禁じられています。人を勧誘するだけで簡単に稼げるという真っ当な仕事はありません。

2-1-2. 紹介料メインならねずみ講の危険度大

商品販売だけでなく、人を勧誘して紹介料も稼ぐ手法はマルチ商法(連鎖販売取引)ですが、商品・サービスの流通よりも紹介料がメインの収益である場合には、ネズミ講(無限連鎖講)とみなされ、摘発対象となります。

2-1-3. 収益を上げる仕組みやリスクがよくわからないなら契約しない

具体的な仕事内容がない、または説明がなく、人を紹介することで紹介料がもらえる等、儲かることばかり強調されたり、SNSに投稿して勧誘する簡単な仕事という説明をされたりしたら、その話に乗ってはいけません。

契約前に書面等で契約内容が確認できないビジネスはアウトです。利益が得られる仕組みやリスク等をよく理解できない場合は、契約しないようにしましょう。

2-2. ここに注意!(2)日本語対応の問い合わせ先かあるかどうか確認

2-2-1. 窓口が日本語対応していないなら契約しない

契約前に海外事業者のHPを閲覧し、約款や問い合わせ窓口を確認して、日本向けの対応ができる態勢が整っているか確かめておきましょう。日本国内で勧誘されても契約後にトラブルか起これば、海外事業者とやり取りをしなければなりません。日本語で対応してくれる窓口がないなら契約を見送るべきです。

2-2-2. 勧誘者がサポートするという話はあてにならない

日本法人がなくても、日本語対応がなくても、「大丈夫、サポートするから」と勧誘者に説得されることがありますが、絶対にあてにしてはいけません。勧誘されて困った人が後から連絡しても「マニュアルをよく見て!マニュアル通りにやれば大丈夫」と言われたり、最悪の場合は音信不通になったりします。

2-2-3. 英語力があってもトラブル解決は難しい

あなたがもし英語が堪能であったとしても、商習慣も違えば法律も違う海外の企業を相手にやり合うのはおすすめできません。私たちの母国語である日本語が通じる環境でさえ、マルチ商法のトラブルを解決するのは難しいことです。相手が海外企業ならなおさらのことです。

3.  海外マルチ商法においてクーリングオフは適用されるのか

日本国内では、マルチ商法に対するクーリングオフが適用されるのは20日間ですが、海外企業が設定するクーリングオフ適用期間は2~3日間と非常に短いです。日本人が契約した場合はどうなるのでしょうか。

3-1. 海外マルチ商法でも国内のクーリングオフ基準が適用される

消費者庁の取引対策課は「一般論として、日本に法人がない海外企業のビジネスであっても、日本国内での会員勧誘行為には特商法が適用されます」と述べています。それに加えて法定書面が交わされないのも違法行為であると断言します。

3-2. それでも海外企業がクーリングオフに応じない場合は?

国民生活センター内の越境消費者センター(=CCJ)は「クレジットカードで決済した場合、相手企業の違法行為をカード会社に説明すれば引き落としを止められることもあります」として、まずは相談をするよう呼びかけています。

4.  海外マルチ商法のトラブルの相談に乗ってくれるところはないの

海外のマルチ商法に騙されてしまい、途方にくれてしまっている人も安心してください。国民生活センターをはじめとした消費者相談窓口で相談できます。

相手が海外企業であっても、マルチ取引が連鎖販売取引に該当する場合は特定商取引法上のクーリング・オフを主張し、解約までたどりつけるケースもあります。契約した後、ビジネスについて不安を感じたり、トラブルになったりしたら、早めに最寄りの消費者相談窓口に相談しましょう。

消費者ホットラインとして局番なしの188番(いやや)も用意されています。もしお悩みなら、被害が大きくなる前に今すぐ電話相談をしてみてくださいね。

5. マルチ商法での海外事業者とのトラブル・対処法・まとめ

マルチ商法での海外事業者とのトラブル事例でもわかるように、かなりの被害がSNS経由で広がっているようです。相手が海外企業であるために、クーリングオフや解約の方法もわからないまま、日本国内からどうしようも手が打てなくて困っている人も多いようです。

対処法としては、まず海外企業のマルチ商法と思われるビジネスには手を出さないことです。国内企業のマルチ商法でさえトラブルになったら大変です。海外企業が相手ならなおさらです。「簡単に儲けられる」という話に乗せられて安易に契約しないことが重要です。

もし、あなたが海外企業のマルチ商法に契約して困ってしまっても、国民生活センターや消費者相談窓口、188番などに電話相談をしましょう。クレジットカード会社の協力で引き落としを止めることができる場合もありますので、泣き寝入りをせずに解決の糸口をつかみましょう。

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